人生と言う名の問題集
妻が亡くなってから2年7ヵ月の時が流れた…
その激流のような日々は私自身が死を覚悟した流れだった。
自ら命を断つことが許されなかったのは
宗教上の理由からであるが、生きると云うことがこれほど辛い事である事を知った。
その間に知った事は同じ空間と同じ時間に
生きているはずの人々が、実は別の空間と
別の時間に生きていると知った事だった。
私の信ずる宗教の教えによれば、人生最大の
苦しみや悲しみは必ずそれらを経験しなくてはならないとある。
霊的世界からこの物質世界に生まれる理由が
そこにあると言う。
誰だって苦しみや悲しみの無い人生を生きたいと思っている、しかしそんな人生を生きるのなら、あえて人間としてこの地上に生まれる必要は無いと言う。
人は慰めの言葉を言う、しかし何を知った上でその言葉を言うのだろうか…
私を慰める人に言いたい。
あなたには私の気持ちが分かるのですかと…
私の心が見えますか…
傷だらけで半分無くなっている私の心が
見えますか…
あなたの時間は動いている…
私の時間は止まっている…2年7ヶ月前で
止まっている…
あなたの楽しみは何?
あぁ楽しかったと言えるのですね…
私の楽しい感覚は一時なのです…
居ない
居ない
なぜ居ない…
この地上世界も不思議なものだ
同じ空間にいながらお互いに別次元を生きている。
真の苦しみを知らない人には人の苦しみも悲しみも解らないと言われている…
確かにそうだろう、私自身が表面的な事象の奥にある
苦しみの実態と悲しみの実態が理解できる
ようになったのだから。
これでこの世に生まれてきた課題の一つを
クリヤーできたと言えるのだろう。
これまで様々な出来事を経験してきた。
それが私に与えられた問題集…
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