第三の扉

人生は一冊の問題集。

私にとって宮ちゃんとの出逢いは

第一の扉が開いた時だった。

いろいろあった。

思い出せば、至らない俺。

周りに迷惑をかけてばかりの俺…。


そしていつしか第一の扉は閉じ

第二の扉が開いていた。


家のローンを抱え会社勤め。

上司とぶつかり左遷。

グループ会社での移動。

品質管理課。

そこで上司から徹底的にいじめられる。

その上司は自分の部署を自分の色に、染めたかったんだ。

結局品質管理課にいたベテランは

全員追い出された。

もう、出社拒否症になりそうだった。

でも、ここで負けたら家族が…。

苦しみの日々が続いた。


そのうちに、別部署に配属。

親方としてその部署に配属された。


新参者が親方だなんて、周りが

許さない。

また、いじめ…。

ここで負けたら家族が…。


半年以内で仕事を覚えよう。

それまでは、何が何でも

負ける訳にはいかない…。

仕事を覚えてしまえば、こっちの

ものだ。


そして、親方として定年まで

やっとこれた。


これからは、老後を妻と一緒に…。


そう思っていた矢先に、第二の

扉は閉まってしまった。


最愛の人を失った。


第三の扉が開いたんだ。

そこに待っていたのは、悲しみと

苦しみと、どう、もがいても

取り返しがきかない世界が

待ち受けていた。


人生ただでさえ苦労の連続なのに

ここまで来て、更に苦しみの世界

の中に投げ込まれるとは…。

何をやっても、空しい。

そのうちに、気力が無くなってくる。


人生は一冊の問題集…か。

その泥沼の中で…

一輪の、綺麗な花を咲かせよ。

それが、一人びとりに、求められている、ことなのだよ…と

天は言うのだろう。


でも…辛い、悲しい、寂しい


逢いたい、話しがしたい。

宮ちゃん…宮ちゃん…