3年が過ぎて

話し相手がいない。

今日の出来事、嫌な事、少し嬉しい事

そんな事を聞いてくれる相手がいない。

話し相手は奥さんだけだったから。

3年が過ぎ去り苦しみや極度の悲しみは

たぶん、なくなったのだろう…

でも何かのきっかけでよみがえって

こみ上げる悲しみは、抑えきれず

涙がながれる…声をころして泣いてしまう。

周りの人達…娘夫婦、息子夫婦、孫達は

互いに今日の出来事を話す。

スマホで友達と話す。


一人取り残された私は遺影の中の

宮ちゃんに、出来事や思いを話しかける…3年間そうやってきた…

これからも…


夏目友人帳…

宮ちゃんが好きだったアニメ。

そして、私も夏目を名乗っている。

泣きくずれて

妻がこの世を去り、2年と11ヶ月が過ぎ去り、衝撃の出来事の時の問答無用の苦しさは3ヶ月続き、私は自分の死を待った…けれど。

その後も恐怖を伴う悲しさや苦しさに

襲われていた…

それは2年と数ヵ月続いていた。


三回忌を迎える頃、私の心は、その直接的な苦しさからは少し離れ、

ただ悲しみと淋しさの中にいた。


1日に何をやっていても、必ず

結局妻のいない現実に、その度

その度、私はため息をつき、やはり

出口の無い迷路に迷い込んだような

感じになる。

それは、今も同じ。


夢の中…

私の前に妻がいた、その瞬間、私は

妻を抱きしめた。

会いたかった…と私は泣いた。

抱きしめながら、立っていられなくなり

泣き崩れて、思いきり、大声で泣き

ました。

目覚めても泣き。

放心状態。

泣きながらお祈りをして…

遺影の妻に…ありがとう…と言った。



幸せってなに。

気づけば、いつも不幸の中にいる。


不幸と言うものは、それは感覚なのよ。


不幸感覚なのよ。


いつも不幸だなんて…


そんな…私はいつも不幸なのよ…


じゃ、幸せってなんなのよ…


それも感覚なのよね…


幸せな感覚なのよね…


それは、言葉ではなく、感覚なのよね…


それならね、私の幸せってなによ…


いい天気の青空や陽の光り、花瓶のお花、

暖房器具の暖かさ、お風呂の温かさ、

ご飯を食べてる時の満たされていく感じ、

心配なく眠りにつける環境…

特に、この身体に痛みが無いと言う事は

ありがたのです。


不幸な私は幸せに包まれている事に

気づかなかっただけかも知れません。


不幸な自分を見つめても、何の得にもならないし、幸せになりたかったら幸せに

気づく事から始めることが大切なのかも。


再会の時には、悲しみで汚れたこの心を

綺麗にして…


最愛の人に会うために。