私の妻

私の妻は明るい人だった。

こんな話し聞いた事ないですか…

その人が来るとその場が

明るくなるって…

妻はそんな人だった。

よく笑っていた。

物忘れも多かった。

声が大きかった。

車の助手席でも声が大きくて

耳が痛かった。

怒っていても、その言葉使いが

丁寧なのには驚いた。

付き合い初めの頃彼女を見た

瞬間、俺にはふさわしくない

人だと感じた。

モデルを目指していた。

だからスタイルは抜群だった。

脚と言うか足が長かった。

出会いはバイト先だった。

俺が先輩で俺の部署に配属されてきた。

実はおれも、モテる俺だった。

涼しげな男だねって言われたり

結婚後も付き合ってとも、何人かに言われた。

若い女性からおばちゃんまで

モテまくったが、全て断った。

バイト先での昼飯時、彼女ら

女性グループはそこで化粧なおしをしてたんだが、俺は彼女が

口紅をつけるのを横目に見ていた

唇の形が魅力的だった。

そんなある日、彼女が

「お醤油がない」と言った瞬間

周りの男達が我先にと何人も醤油

片手に彼女へと走った。

でも、その時には俺と彼女は

付き合っていたので、笑いだった。

ある日遊園地にいった、いわゆる

デートって言うものか、

二人で歩いていると、すれ違う

男達は皆振り返って彼女を見ていた、その視線は脚だった。

モデルになりたかったんだ。

美人で当たり前だった。

モデルの審査と言うかそれに合格して相手会社が是非来て下さいと言ったが泊まり込みと言う事に

親が反対して、断念したそうだ。

一人っ子だったし。

そんな妻は結婚後もモテまくりだった。

そんな妻に今日クリスマスの

プレゼントと言うか

ファミチキを買ってきて

お供えした。

妻はファミチキが好きだった。

夏目友人帳も好きだったが

花の慶次も好きだった。

前田慶次。