心に明いた穴

妻が亡くなってから

私は、いったい何をしているのだろう。

最初の3ヶ月間は問答無用の

地獄だった。


少しずつではあるが、

私の心はその地獄から

這い上がり始めた。


その苦しみから逃れようとして

趣味に没頭したが、結局

妻が居ない…それは

私の全てを元に戻す。

哀しみの中に戻す…。

妻が亡くなって以降、私は、

自分の命に執着が無くなった。

いつ自分が死んでもいいと

思っている。

でもこれは命を否定している訳ではない。

命と言うものは他の命によって

支えられている尊いものだ。

人間は他の命によって生かされている。

他の命が犠牲になって人の命は

守られている。

自分の命を否定したら

犠牲になっている他の命に

申し訳ないじゃないか。


あの日から私の心にポッカリと

穴が明いた。


この穴を埋める手立ては

今のところみあたらない。

いつもいつも宮ちゃんに

話し掛けている。

どんな時にでも。


寂しいんだよ…俺…。