沈丁花

先日玄関先でタバコを吸っていた。

雲一つ無い青空。

玄関先の沈丁花が香っている。

宮ちゃんは沈丁花が好きだったね。

天国から、あ~いい香りって

聞こえてきそうだよ。


庭先のキンモクセイには

雀や尾長ドリが来ているよ。


あ~この風情、宮ちゃんにも見せたいな。


聞こえてたかな、

バイクで走りながら

宮ちゃんの

いない人生なんて

つまんねーよーと、

何度も叫んだ事を。

会いたいよ宮ちゃん。


でも、この前もここに来て

くれたのを俺は知ってるよ。


感じたんだ、強く、宮ちゃんの

存在を。


でも、それ以上に一昨日

私はここにいるよと、

教えてくれたね。


午前3時、ストーブの灯油を入れに玄関まで行ったとき、だれもいない、居間からタイマーの音が

していた、俺は照明をつけて

居間に入った、音がするのは

台所のほうだった、

途中、冷蔵庫にもタイマーはあるが、そこではない。

台所だ!

近づくと音が止まった。

タイマーの表示は、00.00

何でこの時間に?


タイマーは鳴りおわったら

セットした時間を表示しているはず?


壊れたのかなと思い自分の部屋に

持ってきて、様子をみたが

壊れてはいない。


そうか俺に会いに来てくれたんだ。

ありがとう。

でも心配はいらないよ、

俺は宮ちゃんが望む俺に

なるべくして努力しているから。


それより、俺は宮ちゃんが心配

だよ。

大丈夫かそっちの生活。

俺に出来る事はないか。


してもらいたい事があったら

いつでも言ってくれよ。


俺は今でも宮ちゃんの為に

生きているんだから。


バイク乗るの許してな。

危ないからダメって言われそうだよ。