俺の幸せはどこへ行った。

俺はもう つぶやくしかない。

こうやって 心の中の 耐え難い 苦しみを 吐き出すしかない。


どこへ行ってしまったんだろう、

俺の幸せ。

こんなはずではなかったんだ。


夕焼け空を 見つめていたガキの頃


薄氷を割る音を覚えているガキの頃。

カラスが帰って行くあの山の夕暮れどき。

覚えているか 霜柱を踏んだ時の音


覚えているか 焚き火の火の暖かさを。

覚えているか厚くはった池の氷に投げつけたら石の音。

覚えているか 五右衛門風呂の焚き付けの松葉の香りを。

あの頃こんな苦しみが来ることを 想像もしていなかったよ。


あの頃に戻りたいか。


この苦しみから逃れて あの頃に戻りたいか。

人生を もう一度 やり直したいか。


いや、 戻りたくはない。


今いくら苦しくても。


苦しいよ。


でも この記憶を 抱きしめていたい


苦しくても、


最愛の人との思い出は、


大切な 、大切な、 俺の人生そのものなんだ。