妻の友達が、ガンになった。

妻の友達は床屋さんで、私はそこで、いつも髪を切ってもらっていた。

妻を亡くしてから私は気力なく

半年も、髪を切りにいかなかった。

髪の毛は伸びほうだい。

仕方なく髪の毛を切りにいった。


妻の友達は、「私、ガンになっちゃった」と明るい笑顔で、私に

そう言った。

「え~」私は返す言葉もなかった。

リンパのガンだと言っていた。

骨にも転移してると言っていた。

「痛みは無いが、疲れがひどく

午前中しかやってないのよ」と

言っていた。

電話で、何時頃に行けばいいですかと聞いた時、11時半頃にと言われたのを思い出した。

もしかしたら、休業中だったのではないか、私が妻の旦那だから無理してでも、やってくれたのでは

と、思った。

しばらく入院してたとも言って

いた。

辛いだろうに、笑顔でやってくれた。

私は、そのあと、用事があり、

帰り道は、夜の道を車で走り

また、妻の事を思い出して、

泣きそうだが、我慢して、

家に帰る前に、御見舞いを届けに

行った、彼女は「そんな事してくれなくてもいいのに」と笑顔で言った。私は、この人が妻の一番の

友達。何故この人がガンになってしまったんだと思い、その場で

泣いてしまった。

「〇〇さんたら、すぐ泣くんだから」などと言われ、「頑張って下さいね」と言って、家に帰って、

妻の事もあるし、身近な人が病に

なって行く事の悲しみに、涙が止まらなかった。

抗がん剤を使っているが、髪の毛は、今のところ抜けてないと言っていた。

スピ系の私は、明日、彼女の為に

ガンが、治りますようにと

祈願しに行く。

私の妻が彼女を助けてやってと

言っている気がして。

彼女は言っていた、このガンは

治りませんと、医者に言われたと。

でも、私は、医者がなんと言おうとも、明日祈願しに行く。

妻の一番の友達の為に。