礼拝堂とオーブ

妻を亡くしてつくづく思う。

命って素晴らしいと。

人間の中に命は宿っている。

それは誰もが認める事実。

人間に限らず生きるもの全てに

命が宿っている。

それも誰もが認める事実。

人が亡くなると、命が無くなったと言う。

命と言うものは、無くなるもの

なのか。

見えなくなっただけじゃないのか

あの風のように。

風は見えないけれど、吹くことに

よって木葉を揺らし、そこに

風がある事がわかる。

命は見えないけれど、人の身体に

宿る事で、そこに命がある事を

人は認める。見えない事をもって

無いと言うことにはならない。

私は礼拝堂が好きだ。

あの静寂さが好きだ。

じっとして心の波立ちを無くして

いくと、オーブが見えてくる。

1個、2個、3個と空中を飛んでいる

あれはいったい何なんだ。

あれは人の命なのだろう。

そう思う。

私は礼拝堂の静けさが好きだ。