孤独

孤独感。

それは、当たり前のように、

日々私を包みこむ。

家族があっても、違った世界を

生きている。

私だけに与えられた世界、それが

孤独だ。

生きている世界がまるで違う。

一人取り残された世界感。

妻を失った悲しみを独り受け止め

その悲しみのなかで生き続けるしかない。

自分を慰める…。

私の命の砂時計は確かに時を

刻んでいる。

サラサラと命の砂は落ちている。

それが私を励まし慰める。

でも私は宝物をもっている。

家族の誰もが持つことのできない

宝物。

それは妻。

その宝物は私だけしか持つことが

できない、私だけのもの。

その宝物は

悲しみを伴う。

淋しさを伴う。

苦しみを伴う。

辛さを伴う。

そらであっても私には宝物なんだ。

どんな事があっても手離さない

宝物なんだ。

ある人が言った、女なんかいくらでもいるじゃないか。

私は思った。

「何なんだそれは…

こいつ、経験ないな

最愛の人を失う強烈な苦しみを」

なんか、外国人に多いらしいが

淋しいから新しくパートナーを

つくると言う。

そう言えば妹の元旦那もそうだった。

淋しいからと毎日私に電話をかけてきた。

何が淋しいんだ。

棺桶でピースサインで写真を

撮ってる奴が。

後日さっさと女つくったと奴の

息子から聞いたよ。

妻を失った心の傷は治らない。

妻を失った心の穴はふさぎようがない。

毎日妻の為になにか出来ないかと

考えている。

妻の為に何かしなければと…

してやれる事は

毎日、お茶をだし

毎日、花の水替えをし

毎日、妻の為に祈り

毎日、妻に話しかけ

毎日、その日の出来事を…

妻との会話の時間をとる。

私の人生の扉は妻が亡くなった時に、閉じたんだ。

せめて、命の砂よ

速く流れよ。



妻を飾ってくれる花たちよ

ありがとう。