次元の違う世界③

昔しお婆ちゃんが生きていた時の話し。

夜お婆ちゃんの家を訪ねてきた人

がいた。お婆ちゃんが若い頃の話しだ。戸を叩く音がして、戸を開けて見ると、そこには、ずぶ濡れの男の人がいた。

どうしたんだと、聞いたら

誰かに、お湯に入っていけ

お湯に入っていけと、言われて

お湯に入ったそうだ。

ふっと気がつくと、そこは川だったそうだ。たしか、その川の近くにはキツネを祀った小さな祠みたいな物があった。

子どもの頃の私はその小さな神社みたいな物の屋根に泥を塗ったくって遊んだ。家に帰ってみると

お婆ちゃんに、どうしたんだ

その泥だらけの手はと、聞かれた

私は川の近くにある、小さな神社みたいな物の屋根に泥を塗ったくって遊んだ、と言うと

お婆ちゃんは、顔色を変えて

泥を落としに行った。

昔しはキツネに、ば化されると

言う話しはよく聞いていたけど

まさに、それだったんだな。その小さな神社みたいな物を、お婆ちゃんは、おキツネ様って言ってた。