今年の冬は怖くない

いつも 冬が近づくと 風邪や インフルエンザが 怖かった。

妻がインフルエンザに かかることが 怖かった。

今までは 消毒 スプレーを 買ってきて、 みんなが 手を触れる場所を

消毒しまくっていた。

それも全て 妻が インフルエンザに かからないためにだった。

いつも 子供らが 学校から 病原菌を運んで来ていた。

だから 妻を守るために ドアノブ関係 すべて 消毒しまくった。

でも もう 妻はいない。

もう私には 守るものは何もない

自分を含めて 守るものがないのだ

自分を守る必要もない。

娘と孫がいるな、 娘にも 彼氏がいるので、 その彼氏に いずれ、

娘たちは 守ってもらうことになるだろう。

だからもう 私は守るものはない

まあどうでもいい人生になってしまったということだ。

地震で 家が潰れて 死ぬ としても かまわない。

竜巻で 家と一緒に 吹っ飛ばされても かまわない。

でも 中途半端は嫌だ。

家が全壊したとしても

自分が生き残ったりしたら嫌だ

インフルエンザにかかったとしても そのまま 死んでしまうことを望む。

もう私には守るものはない。

まるで 使う用途が終わった 機械のように、 錆びて 朽ち果てるのを

待っているかのようだ。

人は守るものがあるから 強くなれる。

守るものがあるから 戦う。

死別で、 苦しむ人たちに 言わせてもらおう。

守るものがあるうちは、 あなたは強くなれる。

自分を守ろうとするならば、 あなたは 強くなれる。

どれだけ苦しんでも 、守るものがあるならば 、あなたは 、強くなれる。