歌姫

淋しいなんて

口に出したら

誰もみんなうとましくて

逃げ出していく

淋しくなんか

ないと笑えば

淋しい荷物肩の上で

なおおもくなる

せめておまえの歌を安酒で飲みほせば

遠ざかる船のデッキに

立つ自分が見える

歌姫スカートのすそを

歌姫潮風になげて

夢も

哀しみも

欲望も

歌い流してくれ…


妻を亡くしてもうすぐ2年…

私はこの声を歌う。

弾き語りで…

私のお姫様…

それが妻なのだ。


泣きながら歌っていた…

そこに孫娘が…

高2の孫娘…


じーたん歌上手いねって…


私はこんな事してないと

やってられないんだよと言った。


私のお姫様…

何でここにいないんだよ…