コオロギ

酒に酔いしれ…

独り夜に出れば

夜空には星はなく…

たたずむ私は何を思う…


夜の匂いに包まれて…

目をとじれば…

ほんの少しの小雨がまるで振り向けと

言ってるように腕に…肩に…


もう少しで秋になるよ…

寂しげなコオロギの声…


目をとじて…

歩いてみれば…

足は重く…私はどこえ行くのだろう…


哀しくて…

振り返ってみれば…


砂浜の足跡は二人分…

あぁごめんね…

気がつかなくって…


私の腕に手を添えて…

一緒に歩いていてくれたんだね…


えっ…今…なんて言ったの…


…そうか、いつも一緒にいてくれたんだ…


コオロギの声って寂しいね…

「そうだね…寂しいね」

あと何回季節を感じればいい…

「フフっ大丈夫、心配いらないよ」

「あなたが季節を感じる時は…私も感じてる」