過去に戻りたい

全てを失っている…


戻らない…


それが俺の現実…


どう…もがいても…


信じられない…


いなくなるなんて…


受け入れられない…


今ではこの現実から脱け出そうなどとは

思わない…


この悲しみを背負って生きる事が現実なんだ…


…そう…自分に言い聞かせて…


夜はスマホ片手にカラオケで…


逃げるのさ…


悲しいからね…


でも、独り…カラオケで…小さな声で…


酒を飲み…少しは酒が現実から遠ざけて

くれるから…


曲が演歌になる頃、若き日の二人が居酒屋で呑んでた映像が浮かぶ時…


…また今日も涙…


声を殺して泣く…


誰も解りはしない…この悲しみを…


いいよ…かまわないよ…


俺と…宮ちゃんだけの世界だから…


一緒に買い物した時も…


一緒に映画を観た時も…


俺と宮ちゃんだけの世界だったから…


出会いの時も俺と宮ちゃんだけの世界だったから…


その時から俺は宮ちゃんを追い続けていたし…

それは今でも変わりはしない…


目に見えない世界へ旅だった宮ちゃんを…

天国にいる宮ちゃんを…


こうして今も追い続けている…


俺は宮ちゃんを追い続けている…


始めから終わりまで…。