愛別離苦を乗り越えて

私は結局霊的な体験を子供の頃からしていた。

金縛り、お墓のばあさん、山に浮かぶ炎、

狐の嫁入り、映画館の和服の女、子猫を連れていく青白い女の手、UFO目撃、そして、

今回の霊的体験としてセットしていないアラームが鳴る、遺影が光る、光りの筋、

オーブが見える、誰もいない部屋からセットしていないタイマーが鳴り響く、固定してあったチラシがドアの隙間を通り移動する、

心の中から聞こえる妻の声、また、結果的にではあるが偶然にも祈りでのガン細胞の消滅

獣医が見放したネコの肺炎からの生還…

霊は存在すると言う目には見えない世界からの力を認めざるを得ない。

だから、妻には心配かけたくないといつも思っていた、そして2年と2ヶ月が過ぎ、その思いは府に落ちたようだ…

妻が亡くなって2年と3ヶ月目の月命日には

涙を流す回数は極端に減り、妻の死を受け入れたような気がする。

死と言うよりも、本来の世界に戻り、本来の姿になったと理解している。

会いたい気持ちには変わりはないけれど、

今を生きていく理由を知り、自分の命の価値を価値あるものとして生きる道を選びとり

、最愛の人との別れを嘆くのではなく、この試練は乗り越える為にあるのだと理解し、

自分の命を即ち時間を自分以外の他の人の為に使っていくときに、妻と私が今世で受けた最大の苦しみを無駄にしなかったと言えるのだと思う。

自分の為に生きてもつまらない、自分を利することが他を利する、そのような生き方が

人間としての本来の姿であるはずだから。

正しき心の探求と言う言葉がある。

正しき心を探求する人間は素晴らしい。